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アパート・マンション経営を検討されている方のなかには、新築で建物を建築される方も多い事でしょう。
新築ともなればその額も大きくなるため、ビルダーのプレゼンテーションにも力が入り、営業マンから「収益性、収益性」といった言葉を聞かされ困った経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ですが、彼らが収益性という言葉を使うにはしっかりとした理由があるのです。
ここでは、アパート・マンション経営における収益性について解説します。
常に入居者の目線であれ!!
不動産投資と他の投資との決定的な違いは、投資する者の意識で未来を変えられるという点です。たとえば、株式投資をみてみると一般の株主は企業の経営には直接参加することはできず、株価を上げるためにできることは、あまりありません。
一方、不動産投資の場合は、企業からの配当にあたる収益は、入居者からの家賃収入でもたらされます。そのため経営者である貸主の意識によって、業績である入居率や家賃額は良くも悪くもなります。これが、「投資をする者の意識で未来が変わる」ということです。
ですので、不動産投資においては顧客である入居者の要望を無視していては決して収益は上がりません。
入居者の立場になって、「どんな家に住みたいと思うか」「どんな設備があれば今よりも高い家賃を支払いたいと思うか」といった実際の需要を考えるようにしましょう。
ときには自分で考えるだけでなく、直接聞いてみることも良いでしょう。
知り合いの不動産経営者が入居者にそれとなく要望を聞いてみたところ、「洗面所に化粧台が欲しい」との意見があり、実際に導入したところ、女性の入居者で空室が埋まり年間での入居率がかなり上がったそうです。
もちろん他の要因も存在するため、一概にはいえませんが入居者の目線に立った経営がいかに重要か分かるエピソードではないでしょうか。
不動産投資において陥りやすい罠 実需に基づいたマーケット
このように、顧客である入居者に支持される物件でなければ収益性が高い物件にはなりません。ですが、多くのアパート・マンションの経営者はこのことを忘れてしまいがちです。
特に建物の建築当初は多くの罠があります。よくある失敗を以下でみてみましょう。
一般的にビルダーは間取りに関し1K・1Rなどの単身者向けを勧めます。理由は小ぶりの間取りの方が全体の総戸数が増えるからです。
是非、皆さんも検証して頂きたいのですが、事業用ではない居住用の一室あたりの賃料は床面積を基準とした家賃設定がされていません。
分かり易く説明すると、一室の床面積が25㎡で1Kの家賃5万円のアパートがあるとします。すると1㎡あたり2、000円となりますが、立地やグレード、環境などが同条件の50㎡の2DKの物件の場合、単純に考えれば10万円になるはず。
ですが、往々にしてこの家賃設定では相場よりも割高となってしまうのです。
もちろん、例外も多くはありますが床面積単位で家賃設定が少ないことに気付くはずです。
対して土地の場合、多くは坪単位で価格又は賃料設定がされていることが多いです。
この原因は何でしょうか? 答えの一つには1Kのお部屋は1室あたりの建築コストが割高になるからです。先程の例の場合、1Kであっても2DKであってもトイレやバスルームは1つです。給排水設備も基本は同じでしょう。
二つ目には「相場」があります。賃貸のアパート・マンションの家賃というのはそのマーケットが成熟していればしているほど「相場」というものが形成されます。
すると、一つ目の原因である「建築コスト」という要素を差し引いても未だ「相場」という要素に支配され、家賃は「相場」によって形成されやすくなり、2DKよりも1K・1Rの方が収益性は高いと判断されやすくなるのです。
ただ、安易に1K・1Rタイプを選択しては失敗してしまいます。その原因は需要のないエリアに1K・1Rタイプを造ってしまうことにあります。つまり、マーケット調査がしっかりとできていないということです。1K・1Rは単身者用の間取りですが、その周辺に単身者を確保できるマーケットが存在するかが重要です。たとえば、大学や工場が多いエリアでは1K・1Rタイプは適地といえるでしょう。しかし、競争・競合物件が周辺に乱立し供給過多になっている場合もあります。
まとめ
このように机上の収益性ばかりに気をとられ、マーケットを無視すると火傷します。実需の上に収益は成り立っているということをよく理解しましょう。
色々、脅かすようなことを説明しましたが、それ程難しいことでもありません。
むしろ、当たり前のことを当たり前のこととして取り組むだけなのです。地域1番物件を目指し、まずは流行っている物件をしっかり観察してみて下さい。賃貸経営は王道に勝るものはないと気付くはずです。収益は実需の上に成り立つことを忘れないでください。